大人の発達障害について

発達障害は、生まれつき脳の一部の発達に障害があるために、対人関係やコミュニケーションに支障が出たり、学業、や家事、仕事をうまくこなせなかったりなど様々な場面で支障が出てくるもので、病気とは異なり、生まれ持った特性であると考えられています。

発達障害はいくつかに分類され、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD:限局性学習症)などが含まれます。一般的には小さいうちから、集団行動が苦手、会話がつながりにくい、じっとしていられない、読み書きができないなどで発見されます。

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一方で、近年は大人の発達障害が知られるようになってきました。これは大人になってから発達障害になったわけではなく、幼少期のころは障害の程度軽かったり適応しやすい生活環境だったりして障害に気づかなかった発達障害の方が、大学生や社会人になり人と関わる場面が増えるなど、本人にとって適応しづらい環境になることで初めて発達障害の特性が露見する場合を“大人の発達障害”と表現しています。

​具体的な症状については

自閉症スペクトラム障害
 集団行動が苦手
 音や光に過敏

 相手の気持ちを読み取れない

 人の話に関心を持てない
 自己流で物事を進めたがる

注意欠陥多動性障害
 細かい注意を払えずミスが多い
 順序だてて物事を行えない

 順番が待てない

 片づけられない
 じっとしておくことが苦手

学習障害
 計算が苦手で会計のときに戸惑う

 数字の桁が増えてくるとわからなくなる
 読むこと、書くことが苦手

このような場合は自身が他人と違ったり対人関係がうまくいかないことなどを自覚することで不安症状やうつ症状を訴えて医療機関を受診することが多く、不安障害やうつ病と診断されるケースがありますが、不適応な環境因子も深くかかわっているため薬だけでは治療効果が限定的なこともよくあります。
逆に、発達障害の方の特性を本人や家族・周囲の人がよく理解し、その人にあったやり方で日常的な暮らしや学校・職場での過ごし方を工夫するこができれば、持っている本来の力がしっかり生かされるようになればうつ症状などが軽減する場合もあり、環境調整はお薬と同様に重要な治療手段の一つです。

当院では患者様がどのような場面で困難さやストレスを感じているかといった問診に加えて、心理療法士による心理検査や知能検査などを行い、本人の得意な面、不得意な面をできる限り理解した上で、環境調整について患者様と共に考え、提案するようにしています。すぐには環境を変えられないことも多いですからその場合は抑うつや不安などの症状に合わせて薬物療法が行えますし、一部の発達障害の症状(衝動性、不注意)などにはそれに合ったお薬もありますので診断によってはそれらも提案するようにしています。

医療機関を受診することは不安もあると思いますが心理検査や治療などはすべて患者様と相談してから決めていきますので、もしお悩みの場合はお気軽に当院までご連絡ください。