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治療開始・・・の前に

診断が重要です

まず初めに、みなさんは『うつ』という言葉についてはなじみがあると思います。僕のまわりでも「うつになった」とか「自分はうつ病だ」とかいうのをよく聞きます。しかしみなさんは『うつ』と『うつ病』が必ずしも同じものではない、ということをご存じでしょうか。『うつ』は皆さんご存じの通り悲しい気持ちになる、やる気が出ないなどを表す言葉です。もちろん『うつ病』では「悲しい」「意欲がわかない」などの症状が出ます。しかし、統合失調症や双極性障害、不安障害、認知症などでも同じような症状がでることがありますし、精神的に問題がなくても身体的な病気が原因でうつ症状が出ることもあります。また、病気ではない健康な方でもとてもつらいことがあったり大きな失敗をしたときなどは落ち込んでしまうのは当然のことです。
重要なことは同じ『うつ』でも原因によって治療方針が異なることです。病気によって必要なおくすりは違いますし、身体疾患が原因の場合はそちらの治療を優先する必要があります。失敗事などによる病気ではないうつ症状に関してはお悩みが解決したり、だれかに相談して発散することができればそれだけで症状が改善する場合も多いです。適切な診断がつき適切な治療を行うことができれば症状が改善するまでの期間が短くなりますしおくすりの量や種類を抑えることもできます。逆に、症状だけを見て一様に同じ治療をしていたのでは根本的な改善が得られずおくすりの量が増えてしまうばかりか症状が悪化してしまうことさえありますので注意が必要です。例えば躁うつ病のうつ病期の方に『うつ』だからといって抗うつ薬を安易に投与し続けると躁病が悪化してしまうもあります。
このように、治療に際してはまず診断をつけ治療計画を作ることが非常に重要なのです。

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